「自分の心を見つめる」



新しい環境を楽しむ

『自分の心を見つめる』
取材協力・・・医学系ライター、舞台俳優、心理カウンセラー「木村もちこ」さん

あなたは、自分の心のことをどのくらい理解していますか?
人は心と体が密接に繋がっていますが、自分で心をコントロールすることは難しいものです。
心の動きを理解して、自分自身ともう少し上手に付き合ってみませんか。

■人間に備わる3つの意識

・顕在意識・・・頭で考えて話すことなど、自分で明らかに分かっている意識。実際に現れていること。

・無意識・・・手を動かす、走るなど、自分では考えずに行っていること。
※箸をつかうなど、慣れていくうちに無意識になっていくものもある。

・潜在意識・・・生まれてから今までの、嫌な記憶や苦しかったものなど、いわばネガティブな記憶の掃き溜め。本人はすっかり忘れていても、全てここに残っている。

 多くの人が自分自身のことを理解できていると思いがちですが、顕在意識は全体の意識の中の1割に満たないと言われています。無意識と潜在意識が9割以上のため、自分自身のことはほとんど理解できていません。この潜在意識と無意識との付き合い方によって、人生を楽しく生きられるか変わってきます。


■コンプレックスとの向き合い方
コンプレックスを抱いている人に共通することは、自己肯定感が低いこと。そういった人は、自分自身を否定することをやめるようにしましょう。「自分はだめだ…」という潜在意識が蓄積されると、いつもネガティブなシーンばかりが頭に思い浮かんでしまい、更に思い込むようになります。とはいえ、性格は簡単に直すことはできません。それどころか、自分の弱さをコンプレックスとして抱えている人が「強くなろう!」と意気込んだとしても、うまくいかずにコンプレックスを余計に膨らませてしまう恐れがあります。コンプレックスと向き合う上で一番大切なことは、「受け入れて、認めてあげる」こと。“自分は弱いからこそ、相手に優しくすることができる。”こんな風にコンプレックスを魅力として受け入れられるようになると、気持ちが楽になります。また、そのコンプレックスを受け入れてさらけ出せるようになると、自分の力になって帰ってきます。実際に、強い訛りを気にしていた女性が、友人に「訛りが可愛い!」と褒めてもらえたことをきっかけに、自分の強みとして思えるようになったという話もあります。

■コンプレックスを受け入れるには?
コンプレックスを受け入れるポイントは、失敗ではなく“成功”するイメージをもつこと。自分にとって何かひとつ気になることがあったら、それを克服する言葉を鏡の前で毎日唱えてみましょう。例えば、人前で話すことが苦手な人は、「私は人前で話せる」「話すことが上手だ」と言い聞かせます。このとき、心はこめなくても構いません。口先だけでもいいので、毎日続けることが大切。“そうだ!”とまでは思えなくても、いつしか“そうかもしれない”と思えるようになります。潜在意識は勘違いも含まれるため,実際には経験していない成功体験を勘違いさせて入れ込むと、コンプレックス克服の強い味方になってくれるのです。このイメージトレーニングは、実際にオリンピックのメダリスト達も取り入れていると言われています。コンプレックスの強い人は、言い換えれば、自分に厳しすぎる人でもあります。人間、ダメな部分があって当たり前。それで自分の全てを否定してしまう癖を手放したいですね。

■人を嫌いになる心理
初めて人に会った時、あなたはその人のどこを見ますか?目の大きさや鼻のかたち、ファッションなど・・・。実はその場所、自分にとって一番こだわりがあり、気になっているところだと言われています。心理学的には“投影”と呼び、自分というフィルターを通して相手を見ているつもりでも、本当は自分を見ているのです。嫌いな人に対しても同じように、自分が一番見たくない、隠しているところを相手に見せられているように感じ、拒否反応を示してしまうのです。

例えば、仕事ができない後輩がいたとします。その後輩を見て嫌悪感を抱く人は、潜在意識の中で“自分が新人の頃の失敗”を見せられているような気分がするため、“見せないでほしい”という感情がでてきてしまい、相手を拒否したくなるのです。しかし、過去の自分に対して“よく頑張った”と自分自身でその失敗を許して、認めてあげられるようになると、「嫌いな後輩」という感情がなくなり、「ただ仕事ができない後輩」として相手を見ることができるようになります。
嫌いな人を好きになることは難しいですが、大切なことは、自分自身を好きになること。そして、嫌いな部分に気が付いたら、許してあげるようにしましょう。


自分自身のネガティブな部分を認めてあげることが、他者との関係を良くし、安心した気持ちで生きていけるコツかもしれません。いきなり考え方を変えることは難しいですが、少しずつ意識してトレーニングしてみましょう。

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