アレルギーと向き合う



新しい環境を楽しむ

2017.03.01

取材協力・・・国際医療福祉大学 臨床医学研究センター教授、山王病院アレルギー内科/足立満先生

今では現代病とも言われるアレルギー。日本人の3人に1人、最近では2人に1人が、何かしらのアレルギーを抱えているといいます。アレルギーと向き合って、上手に付き合っていきませんか。

喘息の種類

喘息は咳や痰が止まらず、苦しい呼吸困難発作が起きる症状のことを言います。一口に喘息といっても、大きく分けて二種類あり、「アトピー型」と「非アトピー型」があります。

・アトピー型---喘息の原因となるアレルゲン(花粉や埃、ダニ、カビなどの原因物質)が分かる。
・非アトピー型---アレルゲンが特定できず、喘息の原因が不明。

小児の場合はアトピー型喘息の患者が9割以上なのに対して、成人はアトピー型喘息の患者は5~6割ほど。アトピー型でも非アトピー型でも、風邪などのウィルス感染は喘息の発症や発作を悪化させる引き金になります。風邪をひいた後に咳が2週間続くときは、他の病気の可能性もあるため、かかりつけのお医者さんや呼吸器内科、アレルギー内科の先生に診てもらうようにしましょう。

アスピリン喘息とは?

喘息の中には「アスピリン喘息」というものがあり、これはアスピリンなどの鎮痛剤をきっかけで起こる喘息のことを言います。中年以上の方で鼻づまりがひどく、嗅覚が鈍感になった人に多く発症するのが特徴です。この症状がある人は、鼻の中に「鼻(はな)茸(たけ)」がある可能性があります。鼻茸とは、副鼻腔にできるポリープで、鼻茸ができると鼻詰まりや嗅覚障害が起こります。こうした症状のある喘息の人は痛み止めの服用に注意を払う必要があるため、専門医の居る病院に行くことが大切です。

アレルギーがおこる理由

アレルギーの患者数が増えた背景には、日本の環境の変化によるアレルゲンの増加があります。日本は戦時中に木を大量に伐採したため、戦後に大量の杉を植林しました。しかし、海外から木材を安く輸入できるようになると、木材として使われなくなった多くの杉が残り、その木から生産される花粉が毎年大量に飛散されるようになりました。また、アレルギー患者の増加には、家の構造の変化も影響しています。昔の日本の家屋は紙と木でつくられ、高床式で風通しが良く作られていました。しかし、現代の家は冷暖房を効きやすくするために、密閉性の高い家が設計されるようになったため、カビが生えやすく、埃やペットのふけ、ダニなどの発生が避けらなくなったのです。こうして日常的にアレルゲンを吸い込む環境が定着し、アレルギー反応を起こす人が年々増えるようになりました。この他にも衛生仮説といって、清潔すぎる環境がアレルギーを引き起こす説も有力です。

子供の食物アレルギー発症を防ぐには

子供が小さい時は、顔や体に湿疹があると、そこからアレルゲン物質が入りこみやすくなります。そのため、湿疹がある状態で小麦やミルクなどを摂り続けると、そこにIgE(免疫グロブリン E)抗体ができ、食物アレルギーを引き起こす可能性が高くなります。体に取り入れた食物によって湿疹ができるのではなく、“湿疹があることで食物アレルギー反応を起こす”ことを忘れないようにしましょう。湿疹を防ぐためにも、日ごろから肌の保湿を充分にして、湿疹ができた際にはすぐにお医者さんに診てもらうようにしましょう。

アレルギー体質を改善するためには

アレルギー体質は遺伝するため、両親のどちらかがアレルギー体質の場合は、ペットを飼わないようにしたり、部屋をこまめに掃除するなど、できるだけ住環境に注意を払うことが大切です。アレルギー体質の人がペットを飼うと、鼻炎や喘息に繋がる可能性が大きいためです。また、大人のタバコも子供や大人の喘息を誘発させるので控えましょう。

喘息と向き合う上で大事なこと

喘息の治療で大切なことは、発作が起きた時にだけ治療をするのではなく、担当の先生に診てもらい長期的な治療を行うようにすることです。理想としては、自分に合った薬を処方してもらい、服用を続けることで、風邪をひいても花粉の季節になっても、喘息が誘発されない状態にすることです。上手く喘息と付き合っていくためには、自己判断ではなく、担当医と相談しながら喘息と長期的に向き合っていきましょう。

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