TopicsEssay

スポーツの苦手な秋

2017.10
文:中村幸代


寒い冬を迎える前のこの時期は、紅葉も美しいですし、おいしい秋の実りを頂くと気持ちがホッコリしますね。暑すぎず寒すぎず心地よい季節です。
私は子供の頃からスポーツが苦手でしたから、大好きな秋でも、運動会だけは憂鬱でした。走っても遅い、ボールを持たせても動きが鈍い、鉄棒や跳び箱は、怪我をしそうで怖くて仕方ない。こんな調子ですから体育の成績は、いつも残念でした。
私の遺伝子を受け継いだからでしょう、息子も娘も、運動会にはひたすら雨が降ることを願っています。大人になって思うことは、身体を動かすのは、まずは健康のためであって、上手い下手は気にしなくて良いということ。小学校の体育の授業で行う、鉄棒の逆上がり、跳び箱の上で前転する台上前転、倒立、これらは私にとっては大技であって、"健やかな身体を作るために楽しく身体を動かしましょう"という目標からは、かけ離れているものだと思ってきました。体育の成績が良くないからと苦手意識を持って、身体を動かさなくなってしまっては本末転倒。大人になった今、子供達にそう言って聞かせるのですが『そうは言っても、ね』と、運動に対する苦手意識は強くなる一方のようです。散歩をしたり、ストレッチをしたり、ジョギングをしてみたり、いつの日か、健康の為に自分のペースで身体を動かすことを楽しめるような人になってほしいと思っています。
どうぞ健やかな秋をお過ごしください!

文・中村幸代



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