コーヒーのある暮らし


朝起きたらまずコーヒーを淹れるのが習慣だったり、仕事で集中したいときやひとやすみしたいときに飲んだりと、コーヒーが日々の暮らしに欠かせない方は多いのではないでしょうか。自宅で過ごす時間を大切にする人も増え、コーヒーの需要が更に高まっています。そこで今回は、コーヒーの基本的な知識や自宅での楽しみ方などをご紹介します。

コーヒーが出来上がるまで

一杯のコーヒーが出来上がるまでには「原料の選別」、「焙煎」、「抽出」の行程があります。
どれが欠けても、美味しいコーヒーは出来上がりません。

*原料の選別
コーヒーは約70ヵ国で生産されています。そのため、生産国(赤道からの距離)や土壌(腐植含量)、標高(昼夜の寒暖差)、品種などによって味が異なります。この中から選び抜いて買い付けを行います。日本で人気のあるコーヒーはブラジル、コロンビア、グアテマラ、ジャマイカなどです。

*焙煎
生豆の段階では皆さんが良く知っているコーヒーの良い香りはせず、植物的な青い香りがします。熱による化学変化によって酸味や苦味、コーヒーらしい香りが生まれます。焙煎時間や焙煎温度を研究することで、美味しく作り上げています。浅煎りだと酸味が出て、深煎りだと苦味が増すのが特徴。同じ農園の同じコーヒーでも焼き方によって味が変わってきます。

*抽出
代表的な抽出方法は3種類あります。
・フレンチプレス→浸して漬ける急須のような抽出法。(浸漬法。)
・サイフォン→高温で抽出するため、その良さがでる。視覚的な美しさも。
・ペーパードリップ→簡単そうに見えるが、再現性が難しい。その分自由度が高い。気分によって味を変えることが出来る。

コーヒーの味を変える淹れ方

コーヒーは同じ種類の豆を使ったとしても、お湯の温度や抽出時間、豆の挽き方(粒度)などの条件によって味が変わってきます。この条件を知ることで、その日の気分に合わせてコーヒーを淹れることが出来るので、もっと楽しむことができますよ。

・抽出時間
コーヒーは基本的に酸味と苦味の成分でできています。酸味成分の移動は早く、短時間で出きってしまいます。苦味成分は移動の早いものから非常に遅いものまで様々で、遅いものほど渋みを伴った重い口当たりになります。
例えば1人前15gの粉に150ccのお湯を早めにかけると、「酸味系のコーヒー」に仕上がります。逆に、細いお湯でゆっくりと時間をかけて抽出すると、酸味も苦味もしっかりと出るので、「苦味系のコーヒー」が出来上がります。
抽出する時間がたった1、2分違うだけでも味が変わるので、好みの味を見つけてみてください。

・温度
お湯は温度を上げることによって、すべての成分の移動が早くなるので、「味が濃く」なります。逆に低めの温度で抽出すると「まろやかなコーヒー」になります。

・豆の粒度
コーヒーの粉は細かくすればするほど表面積が増えるので、「味が濃く」なります。

フードペアリングで楽しむ
酸味のあるショートケーキを食べるときは酸味の強いコーヒー、クッキーを食べるときはコクのある苦めのコーヒーを選ぶなど、食材と相性の良い珈琲を組み合わせるのがフードペアリング。それぞれの魅力が引き立ち、より美味しくいただけます。コーヒー豆の種類を変えるのもアリですが、いつも買っているコーヒー豆を好みの味に合うように淹れ方を変えてみるのも良いですね。

コーヒー豆(粉)の保存方法

お店で選んで買ったコーヒー豆や粉は、美味しく飲み続けたいですよね。保存するときのポイントをご紹介します。

コーヒーの劣化原因
コーヒー豆は焙煎直後から次第に変化していきます。風味の変化をもたらし、味が好ましくなくなったら劣化の始まりです。焙煎時に発生した炭酸ガスや香気成分の放出、更にコーヒーに含まれている諸成分の化学的変化が影響していると言われています。ご家庭で保存するときは、以下の条件に気を付けましょう。

1.水分(湿度)
コーヒーの吸湿性は非常に高いため、出来るだけ乾燥した状態を保つことが望ましいです。

2.酸素
通常空気には20%程度の酸素が含まれています。酸化を防ぐためには、徹底した脱酸素が必要です。一般的にスーパーで売られているコーヒーは、コーヒーを詰めた後に窒素を充填することで酸素を追い出し、酸化を防いでいます。ご自宅でも、酸素に触れないように保存することが大切です。

3.温度
温度が10度上がると劣化スピードは2倍早くなり、10度下がると2分の1になると言われています。温度は低い場所で保存しましょう。

保存場所
温度の面で考えると低温保存できる冷蔵庫が良いですが、コーヒーを冷蔵庫に入れると臭いの吸着や吸湿など、コーヒーの品質に悪影響を及ぼすため、ガスバリア性の高い包装(密封容器)で保存するようにしましょう。また、冷凍保存も可能ですが、常温に戻らない状態で使用したり開封したりすると、抽出温度の低下や吸湿(結露)に繋がることもあるので、注意が必要です。

保存期間
開封後は豆が1ヶ月ほど、粉は1週間ほどが目安です。また、豆から粉にすると香り成分が60%も飛んでしまうので、豆を挽く時は飲む分だけにして、量を調整すると良いです。

飲み終わったコーヒーの活用法

使用後のコーヒー粉は、下駄箱に置いて脱臭剤としても使うことができます。カビの原因になるので、しっかりと乾燥させてから使うようにしましょう。

コーヒーを飲むメリット

1.自律神経の働きを高める
2.集中力を高め作業能力を向上させる
3.運動能力の向上
などの効果が明らかになっています。

カフェイン摂取量の観点から、1日3杯程度なら全く問題が無いとされています。
楽しく飲める量で召し上がってくださいね。

<取材協力>

角地恭治さん


全日本検定コーヒー検定委員会
コーヒーインストラクター検定講師
株式会社ウエシマコーヒー 取締役 営業本部長

高校生の時に銀座のコーヒー専門店で1年以上アルバイトした事もあり、現在の会社に就職。29歳の若さで横浜支店長に就任。その後、東京支社、本社営業部へと渡り、外食の業務店を担当。営業職だけでなく製品開発まで担い、「天空のコロンビア」を世に送り出す。

J.C.Q.A.認定 コーヒーインストラクター2級検定が制定された際、ウエシマコーヒーの社員のなかで最初に合格し、同1級検定にも合格。厳しい審査を通過し、全国20名のみのコーヒーインストラクター検定講師にも選ばれる。

UCC
グループ独自の難関資格「UCCコーヒーアドバイザー」においても、ウエシマコーヒーで認定第一号となる。
ブラジル短期留学でコーヒー鑑定士の資格「クラシフィカドール」も取得。さらに、コロンビア、中米各国、ジャマイカ、ハワイ、ベトナム、エチオピアなどのコーヒー生産国と、米シアトル、サンフランシスコなどの消費都市を巡る研修にも参加した。

現在も社内で商品開発を行いながら、検定講師として次世代の教育にも奮闘している。

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