美味しくお米をいただく


日本人の主食であるお米。日常的に食べるものだからこそ、より美味しくいただきたいですよね。今回はご自宅でお米を味わうためのポイントをご紹介します。

美味しいご飯の炊き方

お米は優しく洗う
お米は状態の良し悪しに関わらず、優しく洗うことが大切です。2~3合の少ないお米をゴシゴシ洗ってしまうと、お米が割れて崩れる原因になります。研ぐというよりは、たっぷりの水の中でお米を泳がすようなイメージで洗いましょう。ボールに水を張り、そこにお米を入れてサッと数回ほどかき混ぜ、水を捨てて取り替えます。ネイルが傷つかないような力加減が目安です。
水が透明になるまで研ぐ方がいますが、濁りの正体はでんぷんです。しばらく置くとまた濁ってくるので、そこまで研ぐ必要はありません。

お米の状態や時期に合わせて研ぐ回数を変える
お米の状態によって研ぐ回数が異なってきます。まずはご自宅のお米の状態を確認してみましょう。

★お米の状態のチェック方法
米を握って離してみてください。お米のかすが手につく場合(または、精米日より一ヶ月以上過ぎたもの)は、あまり良い状態ではありません。手に何もつかなければ良い状態です。

状態の良いお米は3~4回すすぐ
精米の状態が良いお米なら、しっかりと研ぐ必要がありません。3~4回ほどすすぎましょう。無洗米の場合でも、水は一度だけさっと通したほうが美味しくなります。

状態があまりよくないお米は1~2回多く
1回目の洗いでお米についているぬかはほぼ取れているので、古くなったお米の場合は、いつもより1~2回多くすすぎましょう。

新米の時は数回でOK
新米の時期は3回ほど軽くすすぎを繰り返す程度で、新米の香りを残しましょう。

夏場や保温が長いご家庭はいつもより1、2回ほど多く
夏場にお弁当用のご飯を炊く時やジャー保温が長くなる時は、いつもより1回すすぎを多くしましょう。旨味は減ってしまいますが、化学反応を起こして黄色く変色するのが早くなると腐敗にも繋がったりするので、それらを遅らせることができます。

電気釜で炊くときは5~7割の量で
大きい釜で少ない量を炊くと、沸騰の時間が早くなってしまうため、美味しく炊くことができません。電気釜の場合は、釜の大きさに対して5〜7割の量のお米を炊くのが一番美味しくいただけます。

水の量は自分好みに調整を
電気釜の場合、メーカーごとに水分量の目盛りが異なっています。そのため、どのくらいの水分量が好みの柔らかさになるのか自身で調整してみて下さい。新米の場合、同じ産地銘柄での切り替えなら、1合で大さじ1杯ほど今までより減らすのがおすすめです。
新米は水分量を減らしたほうが良いとよく言われてきましたが、温度や湿度が調整できる低温倉庫に入っている玄米であれば、米の水分量は一年中ほとんど変わりません。そのため、新米だからといって水分量を必ずしも減らす必要がありません。最近では夏場の暑さで逆に乾きすぎていることもあります。ここ数年は、毎年条件も変わっているため、お米屋さんで購入されている方はお店の方に相談してみるのも良いです。

お米の正しい保存方法

<生米の保存ポイント>
シンクの下は避ける
生米は玄米や白米に関わらず、温度や湿度、とくにニオイの影響をとても受けます。シンクの下にいれると、一緒に置いてあるものや蒸れ、ニオイなどを全て吸ってしまうので、避けたほうが無難です。

なるべく温度変化の少ない場所で保存する。
今のマンションは密閉性があり、冬場でも暖かいことが多いので、暖房を切ったときに室内が冷えると、見た目には分からなくても、米袋の中で結露ができてしまいます。お米からでた水分(結露)をさらにお米が吸収する等を繰り返し、劣化の原因になります。

保存場所1.冷蔵庫
温度変化がない点では冷蔵庫が良いです。空気になるべく触れない状態で保存をしたほうが良いので、密閉容器に入れたり、袋は空気を抜いてから縛って保存しましょう。一度冷蔵庫に入れた場合は、最後までそこで保存します。

保存場所2.新品でニオイのない発泡スチロール
発砲スチロールは外気温や湿度、においの影響を受けにくいのでおすすめです。新品であることが大切です。発砲スチロールはホームセンターで手に入れることができます。

<炊飯後の保存ポイント>
冷凍ではなく冷蔵する
炊飯後のご飯は冷凍ではなく「冷蔵」での保存が良いです。美味しい状態で保存するためには、ご飯が余ってからラップをするのではなく、炊き上がりの美味しい状態に近いときに保存分をラップして、タッパーなどに入れて冷蔵するのがベストです。

保温期間は短いほうが良い
電気釜での保温は大体72~74度になっていますが、これは大腸菌が死滅する温度というだけで、ごはんの美味しさを保つための温度ではありません。ジャー保温していると大体1時間で食味が落ちていき、2時間位から急速に味が落ち始めるので、保温時間はできるだけ短くしましょう。

保存手順
➀できればエンボスの手袋をして、一人前の量を熱いままラップに置き、薄く平たくふんわりと包みます。(分厚くしてしまうと、電子レンジで温めたときに、中心部まで火が入るのに時間がかかります。)
②金属のバットに乗せて放熱を早くしそのまま冷蔵庫へ。(腐りにくい温度帯まで一気に冷えるようにします。)
(冷蔵庫で急速に温度を下げて、菌を発生させないようにします。)

保存期間は一週間ほど
家庭では色々と条件が異なるため、1週間を目安に食べきるようにします。一週間以上保存したい場合は冷凍でラップに包んだ後にジップロックに入れて保存をしましょう。

電子レンジでの解凍時間
電子レンジで温めるときは600wで80〜90秒ぐらいが目安です。膨張した後にラップでごはんが潰されない程度に止めて、茶碗によそっていただきましょう。

美味しいおむすびを作る4つのポイント

しっかりと給水させる
おむすびやお弁当のお米を炊くときは、「お米をしっかりと冷たい水で吸水させる」のが大切です。しっかりと吸水されているお米は、炊飯のときに中心部にまで火が入ってアルファ化するため、ご飯が冷めても水分がとじこめられた状態になります。

研いだお米をタッパーや内釜に入れたら、そのまま冷蔵庫の中で吸水させます。朝に炊く場合は夜研いでそのまま冷蔵庫で吸水し、夜に炊く場合は朝に冷蔵庫に入れておきましょう。冷蔵庫の中なら水が腐らないので、丸1日置いておいても問題ありません。時間がある時に研いでおくと便利です。タイマー炊きは部屋が暖かいと水が腐敗していくこともあるので(炊き上がりから黄色くなる現象も起こる)、推奨しません。冷蔵庫に入れるスペースがなければ、最低限、冷蔵庫で冷やしたお水で炊くと良いです。

電気釜で、かつ6時間以上吸水がされているお米の場合は、「早炊きモード」で一気に炊くと冷めても固くなりにくくなります。シッカリと吸水させている時間に酵素のチカラが働くので、アミノ酸が増え、マルゴトオリゴ糖によって甘味も増え、加熱することで更に増してきます。

②シャリ切りを行う
炊き上がったら必ず「シャリ切り」という作業をしましょう。周りを1周十字に切ったり、縦に切れ込みを二ヵ所ほど入れてひっくり返したりと、粒を空気に触れさせるような感覚できります。これは、上のお米が下のご飯を潰してしまうのを防ぎ、余計な水分を飛ばしてご飯に張りをあたえます。それから一度蓋をして、おむすびを握ったり、お弁当に入れたりするようにしましょう。

③熱いうちに握る
冷めたご飯で握っても美味しくならないので、熱いうちに握るのがポイントです。熱いうちに握らないと、周りを締めて水分を閉じ込めることができなくなり、時間が経った時にパサつく原因になります。熱くて握れない場合は、フワッと茶碗によそってワンクッション置いてから握ると良いです。衛生の為にもエンボス手袋を使うのも良いです。

※塩加減に注意
熱いご飯は塩を吸うため、塩気を強目にしてもあまり感じませんが、冷めたご飯の場合は塩気を少なめにしないと、強く感じられるので気を付けましょう。

④粗熱がとれてからラップする
とくに梅雨〜秋ごろの腐敗しやすい時期は、おむすびに旦紙やラップをふんわりかけて、粗熱が取れてからお弁当箱に入れるようにしましょう。

<取材協力>

舩久保正明プロフィール

「お米のふなくぼ・おむすび結庵」 代表 
http://www.okomeno-funakubo.com/

保有資格
・米、食味鑑定士
・全国米穀協会おこめアドバイザー
・3つ星お米マイスター
・食生活アドバイザー
・5つ星お米マイスター
・雑穀エキスパート
・ごはんソムリエ



大学卒業後、フランス料理の世界に入り、日本橋、霞ヶ関、銀座の3軒の店で修行中、父の他界をきっかけにお米の世界に入る。
平成12年、有機農産物の宅配をしている「らでぃっしゅぼーや(㈱」のお米アドバイザーを引き受け、同時にお取引をスタート。
数年間の料理店での経験や飲食店さんへの炊飯ケアー等の経験を生かし、平成15年3月『おむすび結庵』を江東区佐賀にて開店。
数重の産地と、栽培法にも拘わりながら田んぼ毎の契約を始める。
平成17年5月27日優良米穀小売店全国コンクールにおいて最高の栄誉である『農林水産大臣賞』を受賞。
小学校での「お米の食育授業」「生産者団体依頼のお米セミナー講師」「各雑誌等の炊飯器テストの依頼」「企業主催の炊飯・ごはんセミナー講師」「マスコミ媒体等のお米の選び方や炊飯方法」など、お米やご飯に関する様々な事に関わっている。
平成22年2月 江東区白河の米穀店を新装開店と同時におむすび結庵本店を併設・精米所も衛生管理・温度管理等から新築2階・3階に移転し営業開始。
平成22年3月 東京駅構内サウスコート・エキュートに『おむすび結庵東京駅店』を出店。
平成23年産米より「オイシックス㈱様」と契約。
平成30年3月末日 東京駅店経営方針の違いから契約更新せず退店。
令和元年 11月精米工場・精米施設HACCP取得。
現在に至る。

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