姿勢を変えて、心と体を整える。



新しい環境を楽しむ

取材協力…姿勢治療家®「仲野孝明」さん

10年後、20年後に、どんな自分でいたいですか?歳を重ねたときに心も体も健康でいれば、自分のやりたいことにチャレンジできたり、仕事や趣味に没頭できたり、人生はより充実したものになります。
そのためには「姿勢を正す」ことが大切です。

■健康寿命を延ばすカギは、「姿勢」にあり
健康寿命とは、元気に自立して過ごせる期間のことをいいます。現在、日本人女性の健康寿命は74歳。これからの100歳時代には、動けるカラダでいることが秘訣です。子供の頃から現在まで、何十年も使ってきた体の状態が、簡単にわかるテスト法があります。
裸足で、壁に背中をつけて立ってみてください。
『かかと・お尻・背中・頭・ふくらはぎ』の順番で壁についているか確認してみてください。
この5点が簡単につく方は正しい姿勢がとれています。長く動けるカラダの基本は、「正しい姿勢」です。
背中は、肩甲骨が左右両方とも壁につくとベストです。
少し壁につくが、無理をしている感じがする。ふくらはぎがつかない。肩甲骨が全部壁につけると苦しい。
こんな感覚がある場合は、要注意です。

■正しい姿勢とは?
 頭を上に、引っ張られる感覚で、おなかが薄くなり体幹をつかえる状態です。縦方向に伸びると人間本来の正しい形になります。例えば、小学生の頃、健康診断で身長を計ったとき。頑張って背筋をピンとのばし、身長を高くしようとしたことがありませんか?その姿勢が理想的です。また、座っているときは座高を測るイメージで背筋を伸ばしてみましょう。とくにパソコン作業は、モニターを目線高さに、レイアウトから、目線を上げる工夫が大切です。スマートフォンを見る時も、首に負担を掛けないように、できるだけ手をあげて画面を正しい姿勢で見るのが理想です。

■肩周りを取り戻す(ほぐす)背伸びストレッチ
壁に立った時に、肩甲骨が壁に付きにくかった方、“肩こり・背中のハリ”に悩まされていませんか?肩甲骨を動かさず、血流が悪くなり、筋肉が硬直している事が原因です。人間はもともと、木の上など高い所に登るような使い方をしていました。手を上げる動作が、簡単にできるのが“背伸びストレッチ”です。

①背すじを伸ばし、足を肩幅に開いて、両足をまっすぐ平行で立つ。
②手を前で組み、手の甲を見たまま顔も一緒にあげていく。
③真上まであげたら、顔を正面に戻す。
④組んだ手を、元に戻しましょう。
手を挙げにくい方は、背伸びストレッチを繰り返すことで、少しずつ改善されます。こまめに生活習慣に取り入れてください。


■人生100年時代を生きるために、姿勢治療家®が考える健康の6つの軸
 人生を長く健康に生きるためには、「6つの健康要素」も意識することが大切です。

① 「構造」(姿勢)
脳から出た神経は、背骨の中を通過して目、胃、食道、腸など各器官とつながっています。
姿勢を悪くすると、背骨間の神経の出口に負担がかかり圧迫されてしまいます。すると脳から各器官へ、または各器官から脳へ大切な情報が伝わらず、さまざまな不調を招くことになります。

② 「睡眠」
不足しがちな現代人ですが、健康であるためには必要不可欠です。たとえ姿勢に気を付けて過ごしていても、睡眠が足りないと体がリセットされません。充分にとれていれば、脳が活性化して、ひらめきが生まれます。AIが進化していく中、“ひらめき”だけが人間がコンピューターに勝てる能力になります。この感性を豊かにするためにも、大事にしましょう。

③ 「食物」
体を作っている材料です。“あなたの体は、あなたの食べたものでできています”。体質にも影響します。現代では、食物の選択肢が多くあるため、“自分の体にどんな材料を摂り入れたら健康になるのか”、意識しながら選ぶようにしましょう。

④ 「運動」
人間は二足歩行の動物です。そのため、「歩く」ことが人間にとって基本の動きになります。「歩く」、「走る」ができるかどうかが、健康に過ごす大事な目安です。つまり、「歩けなくなる=健康ではない」ということ。まずは歩く時間を増やしましょう。

⑤ 「精神」
気持ちの在り方は健康に影響します。ちょっとした出来事をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで体の緊張状態や考え方も変わります。できるだけポジティブに考えられるように、視点を変えてみることも大切ですが、”姿勢を正すことで気持ちを前向き”にすることができます。姿勢と心は密接に繋がっているからです。例えば、背筋をピンと伸ばした状態で「不幸のどん底です」と言おうとすると、違和感がありませんか。これは脳が、体の状況と心の状態に違和感を感じているためです。落ち込んでいるときこそ、まずは姿勢を正してみましょう。

⑥ 「呼吸」
自分の呼吸の回数に意識を向けると、自分のコンディションが分かります。焦っているときには、呼吸の回数が増えて荒くなり、リラックスしているときには呼吸回数が減って息が落ち着いています。イライラしているときには深呼吸、息を長く吐くことで、気持ちを整えることができます。

自分の姿勢を見直して、心も体も健やかに暮らしていきませんか。
身体を見直す時間は、人生を見直す時間です。
 
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家®仲野孝明

※参考書籍【一生、「疲れない」姿勢のつくり方(じっぴコンパクト文庫・仲野孝明著)】

2023

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