かつて日本にも

2020.8
文:中村幸代

green café essay vol.106
かつて日本にも


夏といえば、蚊の季節ですね。
最も多くの人命を奪っている生き物が『蚊』といわれています。マラリアを媒介する『蚊』の問題は、アフリカでは日本よりもずっと深刻で、年間約40万人がこのマラリアで亡くなっているというデータがあります。遠い国の話かと思いきや、なんと日本でも奈良時代には『おこり』という名でマラリアが恐れられていたという記録があり、あの平清盛もマラリアらしき病で亡くなったとか。

遣唐使などによって海外から様々な文化と一緒に、疫病も入ってきていたそうです。海を越えて人から人へ感染する病の恐ろしさを、私たちは今まさに実感していますから、それも納得できます。今ほど医療が進んでいない時代であれば、どれほどたくさんの人々が、不安な中に厳しい中に命を落としていったことでしょうか。そうした数えきれない命の犠牲の上に、だんだんとワクチンや薬が開発され、医療が発展してきたことを思うと、過去の存在に感謝せずにはいられません。実験に命を捧げてくれた動物たちにも。

様々な病から、多くの命が救われる新しいワクチンや薬が1日も早く開発されることを、心から祈ります。

文・中村幸代

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