環境を整えて、笑顔で過ごせる毎日を



『環境を整えて、笑顔で過ごせる毎日を』

取材協力・・・整理収納アドバイザー「清水幸子」さん

きちんと部屋が整頓されていると、頭と心がすっきりして、毎日気持ちよく過ごすことができますよね。
とはいえ、忙しい毎日を送っていると、いつの間にか引き出しの中がいっぱいになっていたり、どこに何があるのか分からなくなっていたりすることもあるかもしれません。今回は、部屋を綺麗に保つことができる整理収納のコツをご紹介します。

■「整理」「収納」「片付け」のそれぞれの意味を理解する
「整理」「収納」「片付け」の意味を一緒くたにまとめてしまいがちですが、それぞれ意味が異なります。

・整理
「これから使う物」と「それ以外のもの」に分けたり、使う物の中で重要度を決めたり、同じ種類の物にまとめたりすること。

・収納
整理した物をある場所にきちんと収めること。

・片付け
日々の生活で散らかった物を整理収納された状態に「戻す」こと。

「整理したものを収納して、それを片づける(もどす)」という流れを大事にすると、部屋を綺麗な状態にキープすることができます。

■「整理」をするときのポイント

・整理は正しい手順で行う
部屋を綺麗にするときは、まず「整理」から始めるようにします。次の手順で行うと、スムーズに進みますよ。

「➀整理したい場所の物を全部出す」→「②分類する」→「③残したい物を選ぶ」

物を整理する際に、「捨てる」ことに焦点を当てないようにするのがポイントです。「捨てる」という行為は、罪悪感が生まれて心のブレーキがかかる原因にもなります。そうではなく、自分にとってワクワクするものを「選ぶ」ようにすることで、自然と不要なものを手放すことが出来るようになります。捨てる以外にも、「リサイクルに出す」、「売る」、「人に譲る」などの選択肢もあるので、必要な人の手に渡って活用してもらうことができます。不要なものを手放すことで収納スペースが生まれると、気持ちがすっきりして、心の余白にも繋がりますよ。

・「場所別」ではなく「もの別」に整理をする
例えば同じ水回りであるキッチンと洗面所をそれぞれ「場所別」にして整理してしまうと、スポンジや洗剤などは使うものが重複するので、物が混合してしまいます。場所別に整理をしても完結することはないので、「もの別」に整理をするようにしましょう。

・リビングは一番最後にする
リビングは家族皆のものが集まっている場所なので、リビングを整理する前にそれぞれの部屋を「もの別」で整理します。そうすると、戻す場所が決まっている状態でリビングを整理することができるので、効率が良くなりますよ。

■「収納」するときのポイント

・余白を残して収納する
収納をする時には、「ものを取り出しやすく」して、「戻しやすくする」状態をつくることが、部屋を綺麗に保つうえで大事になります。また、7,8割のスペースを収納に使い、残りの2,3割は余白を残すことを意識しましょう。ぎゅうぎゅうに収納してしまうと、新たにものが増えたときに、本来仕舞うべき場所に入れることができず、別のところに収納することになります。これを繰り返すと、家族皆が分からない収納になってしまうのです。

・ラベルをつけて収納場所を分かるようにする
よくご家庭であるのが、お母さんだけが収納場所を知っていて、他の家族が分からないという状態。こうした状況を改善するには、ラベルをつけて、「物の住所を確定させる」ことが大事です。家族皆が「どこに何があって」「何をどこに戻す」のか分かるようになります。

・収納グッズは使いまわせるものを選ぶ
収納グッズを買うときは、定番品のものを選ぶと買い足しやすいのでお勧めです。特定の物しか入らないようなものではなく、使いまわせるようなケースにしておくと無駄になりません。

■子供の思い出の品の保存方法
子どもの思い出の品は紙の作品が主なので、経年劣化してしまうことが多いです。そこでお勧めしているのが、「作品を写真に撮ってアルバムにする」方法。作品がきれいな状態のときに撮っておくと、いちばん良い状態でキープすることができます。また、お子さんが小さい場合は、お子さんと作品を一緒に撮ってあげると、お子さんの成長も作品と一緒に確認ができるのでとても良いです。アルバムにして見やすい状態にしておくことで、紙や物で残しておいたときは興味を示さなかったお子さんが、積極的に見るようになったという話もあります。

■学校の書類の整理の仕方
冷蔵庫に子供の書類を貼っていると、重なったときに見えづらくなったり、存在がうるさくなってストレスになったりします。学校の書類は「長期的なもの(年間行事)」、「短期的なもの(月間行事)」、「すぐ提出するもの」の3種類に分けて整理するのがお勧めです。長期的に保存するものはポケットファイルに入れ、月間行事や献立表などの短期保存のものはクリップボードに挟み、置く場所を決めてたまに確認するようにしましょう。


環境を整理すると頭がすっきりして、空間だけでなく頭にも余白が生まれます。「いつか片付けなければ…」といったモヤモヤした気持ちがなくなると、心にも余白が生まれます。部屋が片付くことで他のことに時間が使えるようになって、時間と体力に余白が生まれます。こうした色んな余白をつくって、笑顔で毎日楽しく過ごせるようになると良いですね。

<取材協力>

野上優佳子さんプロフィール

ネットエディターやライターを経て、2011年、「食・健康・地域」をキーワードに子供達が笑顔で暮らせる未来をつくることを目指し、株式会社ホオバル設立。

料理家・弁当コンサルタントとして新聞、雑誌、TV、ラジオ、ウェブ、全国各地での講演など多メディアで活動中。弁当箱のプロダクト開発や商品アドバイザーなども行っている。30年以上お弁当を作り続け、300個以上のお弁当箱を使用した経験に基づき、実際に日々お弁当を作る母としての目線から実用性と汎用性の高いレシピと洞察が好評を博している。
2015年〜2016年にかけて、『マツコの知らない世界』(TBS)に「お弁当」のテーマで最短最多の出演。『すっぴん』(NHK第一)への半年間のゲスト出演。その他、テレビ、ラジオなどメディア出演多数。国立研究開発法人 水産研究・教育機構「SH“U”N project(サスティナブルでヘルシーなうまい日本の魚プロジェクト)」外部レビュー委員。東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー。

★『スープジャーで楽するおべんとう生活』(2019)
★『ごはんをつくる前に読む本 ‐三日坊主をくりかえせば自由に生きられる』(2019)
『野上優佳子のお弁当おかずの方程式』『お弁当のセカイ』(ワニブックス)
『野上さんちの超ラクチン弁当』(学研プラス)
『行事を楽しみ旬を味わう12ヶ月の食卓』
『がんばらない10分夜食レシピ』(笠倉出版社)
『夏弁』(主婦と生活社)
『家族まんぞく!パパッとできるお弁当』(三才ブックス)
『楽々かんたん1品弁当』
『楽々夏ごよみレシピ2015』
『楽々秋ごよみレシピ2015』
『楽々冬ごよみレシピ2015-16』
『楽々春ごよみレシピ2016』
『家飲みおつまみレシピ』
『悩まず作れる!おべんとうの手引き』(笠倉出版社)、
『冷凍で作りおき!子どもも喜ぶ朝5分の簡単おにぎりレシピ50』(宝島社)
など著書多数。

私生活では、社会人、大学生、小学生と、2女1男の母。
1972年生まれ。東京学芸大学教育学部国際文化教育課程日本研究卒業。







すぎなみ学倶楽部

お弁当作りのコンサルタント
料理家の野上優佳子さんは、お弁当作りの企画や提案のコンサルティングをしながら、テレビ出演や料理本の出版などで活躍している。「料理はもちろん大好きですが、とくにお弁当は、決まった枠にコンテンツ(おかず)をどう詰めておいしそうに見せるかを考えるのが楽しいですね」と話す。
かつては料理家と並行してライターもしていた。大学を卒業してすぐ、ジャンルにとらわれず執筆活動をスタート。出産後、子供が小さかった頃は、身近な暮らしに関する事柄を取材対象にすることが多かったそうだ。「すぎなみ学倶楽部」でも、古参メンバーの一人として、2006(平成18)年から約4年間、区民ライターの活動をしていた(※別注参照)。また、過去にはネットエディターとしてウェブサイトの企画構成やコンテンツ制作を手がけていたこともあり、いかにストレスなくユーザーを価値ある情報に導くかという視点で仕事にあたっていた。その時に身につけたコンテンツの取捨選択や、見せ方のコツなどが、「決まった枠(=お弁当箱)に詰める」という現在の取り組みにも生かされている。


子供の頃の誕生日プレゼントはオーブンだった
野上さんは青森県出身。両親が共働きで忙しかったため、子供の頃から料理をする機会が多かったそうだ。小学校5年生の誕生日プレゼントに、自らリクエストしてオーブンをもらったというのだから、関心も高かったのだろう。「料理は母や祖母が作る姿を傍らで見て覚えました。母は忙しい時でもゴマを煎(い)って、すり鉢ですって使っていました。青森の郷土料理を作る祖母は、県外出身の母が使わない食材を利用したり、同じ食材でも2人はまったく別の料理を作っていることなど、料理に関するいろいろなことに興味がありました」と過去を振り返る。また、読書好きな少女だった野上さんは、本から得た料理の知識も少なくない。「家庭科の教科書や、オーブンのレシピブックなどもよく読んでいたんですよ」。今でも海外へ行く機会があると、現地のレシピ本を購入し、その国ならではの調理方法を学んでいる。

お弁当は「モバイルの食卓」かつ「子供たちのお守り」
自身も母になり、子供たちが小さかった頃は一緒に料理作りを楽しんだという野上さん。今も自分や大切な家族のためにお弁当を作っている。「お弁当は、家族がそれぞれに会社や学校に持って出かけ、昼どきになれば、それぞれが違う場所で同じものを食べる。いわば“モバイルの食卓”かもしれません」。モバイル(移動性の情報端末)という例えを用いて、持ち運びできるお弁当を表現しているところがユニークに感じる。加えて、少し照れくさそうに「子供たちへの手作り弁当は、自分の目が届かないところで自分に代わって子供を守ってもらう“お守り”でもあるんですよ」と笑う。
ランチで外食すると、店が混雑していたり、量が多かったり、値段が割高だったりと、満足できないことがあるかもしれない。その点、自分好みに作れて、手軽に食べられるお弁当なら安心だ。だが、毎日飽きずに作るのはなかなか大変である。野上さんに質を下げず作り続けるコツを伺うと、「お弁当はいくつかのパーツが集まって完成形ですから、定番のおかずでも組み合わせを工夫するといいですよ。詰める時は、赤・黄・緑・白・黒(茶)の5色が入るとおいしそうに見えます」と教えてくれた。具体的なテクニックは、野上さんの料理本を参考にしてほしいが、どれも長い料理経験から導き出された方法だけに、説得力に富んでおり、マスターしたくなるに違いない。お弁当作りの世界が広がる可能性もある。

野上さんはお弁当箱も数多く所有する。そのうちの曲げわっぱの弁当箱の一部(提供:野上優佳子さん)

家族と過ごす時間を大事にする
野上さんは忙しい時も、仕事の息抜きに家族と過ごす時間を何よりも大事にしている。2人の娘さんとはドキュメンタリー映画を、まだ小学生の長男とはライダー映画と、幅広いジャンルの映画を楽しんでいるそうだ。子供たちとは、善福寺川緑地に出かけたり、長男の自転車の練習で児童交通公園にもよく遊びに行く。「杉並は、一時期離れたことがあっても、学生時代から一番長く住んでいる場所なので落ち着きます。住宅地は静かで子育てがしやすいですね」。また、荻窪駅前のタウンセブンに、肉屋、魚屋、八百屋がそろっているので、食材を求めてちょくちょく足を運ぶとのこと。「そこの八百屋の野菜は撮影に使ってもよく映えるので、撮影のための買い物はここを利用しているんですよ」

次世代を担う子供たちに幸せをつなげる
料理家・お弁当コンサルタントがメインの野上さんだが、今も自身の料理本は、執筆はもちろんのこと、企画編集まで携わることも多い。「難しいことをそぎ落とし、ストレスなく生きたいとよく思います。結局、情報を整理しそれぞれに最適化するのが好きなのでしょう」。また、コンサルティング会社「株式会社ホオバル」の代表というもう一つの顔も持っているが、その業務内容も簡単にいうと「ゴール設定があって、そこにさまざまな既存の技術を組み合わせて新しい価値を作ること」だと説明する。決められた枠の中に工夫してアイデアを詰め込んでいく、野上さんの歩んできた道のりにぶれはない。「これからも食の分野に限らず、次の世代を担う子供たちが、幸せに生活を送れる世の中にする手伝いをしていきたいと考えています」と語ってくれた。
取材を終えて
料理というジャンルの中で、野上さんはなぜお弁当コンサルタントなのか、そこに至るまでの過程に興味を持っていた。取材を続けるうちに、これまでの生活の中にお弁当作りやライター経験があり、やがてそこからさまざまな活動へと派生したという話が印象深く残っている。

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