「季節の変わり目の体調管理」



新しい環境を楽しむ

“季節の変わり目は体調を崩しやすくなる”とよくいいますが、とくに冬から春にかけて起こる体内の変化は大きいと言われています。気持ちよく春を迎えるために、今の時期からできることをチェックしておきましょう。

■冬から春にかけて体調が崩れやすくなる2つのワケ

<その1.体のこわばり>
わたしたちの体が作り出す熱のほとんどは、筋肉の収縮によって生み出されています。そのため、寒い季節は体温を維持させるために、筋肉がぎゅっと縮まります。それが、気温があがるにつれて、体は筋肉をゆるめて春を迎える準備をはじめます。このとき、筋肉や関節が凝り固まったままだと、その変化を自然に促すことができなくなり、体に負担がかるのです。とくに、肩や首は、胸の開きや呼吸とも連動しているので、体の変化に対応できなくなると、浅い呼吸を繰り返すようになります。すると、体の隅々まで酸素が行き届かず、冷えや内臓機能低下の原因に繋がります。肩や首の重さを感じる人は、この時期から少しずつ筋肉をほぐすストレッチを行うようにしましょう。

●体をゆるめるストレッチ
冬の間に溜まった老廃物を排出し、季節の変わり目にも順応しやすい体を作りましょう。

① 鎖骨の下、胸の上の筋肉を、手のひらや指先を使ってほぐします。左右片方ずつ、30秒程かけて2〜3セットほど繰り返してほぐしましょう。
☆鎖骨周辺にあるリンパ節は、全身のリンパ管に繋がっているので、ここで滞りが起こると毒素や水分が溜まりやすくなってしまいます。とくに肩こりがひどい場合は、鎖骨周辺をマッサージすることで凝りの解消を促す事が出来ます。

② 右手の指先を右肩の上、左手の指先を左肩にのせます。それぞれの肩に両手をおいたまま、両方同時に肘を大きく後ろに向かって10回ほどまわします。その後、逆方向の前方に向かって10回まわします。その後、左右それぞれ交互に10回ずつまわし、同じように逆向きに10回ずつまわします。
☆終わったあとに、深呼吸を行ってください。始める前より首から肩にかけてスッキ 
リとして、呼吸が深くなっていることに気がつくはずです。

③ 背中の肩甲骨周辺の筋肉をほぐします。立った状態で、両手を後ろにまわして組みます。そのままの状態で両腕をのばし、天上に向かって引き上げます。状態が徐々に前屈しますので、一番高い所まで手が挙がったら、その姿勢を10秒キープします。ゆっくりと状態をおこして、組んでいた手を離します。
☆無理のない範囲で2、3回繰り返して行いましょう。

<その2.自立神経の乱れ>
季節の変わり目は、気候の変動によって自律神経が乱れやすくなります。自律神経には交感神経(身体を活動させる働き)と副交感神経(身体を休ませる働き)があり、気候に合わせて体温の調整を行っています。寒いときには交感神経が優位になり、体の中心に血液を送り込んで体温を保ち、逆に暑いときには副交感神経が優位となって血管を広げて熱を放出しようとします。ところが、気温の変化が大きくなると、どのように血管を調整していいのか分からなくり、自律神経が狂って様々な不調がでてしまうのです。

・主な症状
頭痛、肌荒れ、めまい、耳鳴り、倦怠感、眠気、気分の落ち込み、ぜんそく、腸内環境の乱れなど。

・対策
① いつもより多めの睡眠をとる
睡眠は心身の疲れをとり、免疫力を高めるために最も効果的です。長さだけでなく、質の良い睡眠をとることが大切。40度前後の湯船に10分以上ゆったりつかると、寝つきが良くなります。
就寝前のスマホやパソコンの使用寝つきが悪くなりますので、控えましょう。

② 規則正しい生活を行う
生活のリズムを整えることで、交感神経と副交感神経のバランスがとりやすくなります。

③ 栄養をしっかり摂る
体の内側から元気にするためには、食事の量を多くとるだけでなく、栄養バランスを整えるこ  
とが大切です。自律神経を整える栄養素であるビタミンB群(豚肉、大豆、いわし、サンマ、卵
ど)ミネラル(海藻、きのこ、ほうれん草、納豆、魚介類など)カルシウム(牛乳、チーズ、厚
揚げ、干しえびなど)を意識して摂るようにしましょう。

④ 運動をする
5分くらいのストレッチやウォーキングなど、自分ができる範囲の運動でかまいません。
適度に体を動かすことで血のめぐりが良くなり、疲労物質が体外に排出されるので、呼吸循環器系や内臓機能の回復が早まります。毎日少しずつ運動するようにしましょう。

⑤ リラックスタイムをつくる
ストレスをため込んでいるときは、副交感神経が優位に働くようにします。40度前後の湯船に10分ほどゆっくりつかったり、静かな部屋で心地よい音楽を聴いたり、鎮静作用のあるラベンダーのアロマをたいたりして、心身をリラックスさせるようにしましょう。

この他にも、手帳や日記に天気、気温、湿度、気圧などを一緒に書き込んでおくと、自分が体調を崩しやすいタイミングが分かるようになります。少し手間のかかる作業ですが、事前に気を付けることができます。

自律神経を強くすると気候の変動とうまく付き合えるようになるので、生活を見直してみてくださいね。

2023

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