カバンの中身

『おしゃれな人ほど、カバンが小さい』と聞きます。確かに小さなバッグを持った素敵な女性をよく見かけますが、正直「よくあのサイズで収まってるなあ」と思ってしまいます。
私が持ち歩いているものは、財布、携帯電話、鍵、ハンカチとティッシュ、エコバッグ、水筒、化粧用ポーチ。(この時点でおしゃれバッグの容量はオーバー)。さらに、災害時用ポンチョ(身体をすっぽり覆うことのできる銀色のポンチョで、体温を守るだけでなく、お手洗いのときの目隠しになる)、そして本。冬にはストールや手袋、夏なら冷房による冷え防止の羽織りと日傘。こんな調子ですから、どうしてもトートバッグサイズになってしまうのです。友人のカバンの中身はさらに充実していて、災害時用食料(小さな羊羹のようなもの)や携帯トイレ、生ものを買った際に使う保冷剤も持ち歩いているそうです。
いつ災害に見舞われ、帰宅困難者になってしまうかわからない国に住んでいるのですから、最低限の備えは持ち歩きたいところです。私のカバンの中で毎日揉まれ続けた災害時用ポンチョの外袋は今やボロボロですが、それを見ると災害に遭うことなく今日まで過ごせたことへのありがたさを感じますし、ここまできたら持ち歩かずにはいられません。もしもポンチョを置いてきた日に限って何か起きたら、その時の後悔が容易に想像できるからです。
今年も大きな災害が起こらず、穏やかな日々でありますように。そう願うばかりです。
文 中村幸代










