TopicsEssay

人工知能に、とって代わられないものは

2016.08
文:中村幸代



 一昔前まで、ロボットは“人間の命令が無ければ動かない”というイメージでしたが、この頃のロボットは自ら学び、人間の感情を読み取り、状況を鑑みて自ら考えます。そして時には、人間の命令に『NO』を提示することもあるそうです。これほどまでに人工知能が発達すると、やはり心配になるのは、SF映画のように『人工知能に支配される人間社会』。また、それを悪用する人達によって、この地球全体が悪い方向へとコントロールされてしまいそうな不安。科学の進歩に人間の倫理観が伴わなければ、それはそれは、恐ろしいことになってしまうでしょう。

 人間の生活が、より便利で安全に、そして豊かに・・・と善い面での活用が大前提のロボット開発だと思いますが、いつか感情のやり取りまで出来るロボットが身近に普及するようになった時、はたして人間の存在価値はどこにあるのでしょう。何かを予測する、イメージする、クリエイトする、あるいは直感やひらめきを得る・・・これら人間ならではの能力すら、もう人工知能は獲得しつつあると言います。
 ならば『願い』や『祈り』はどうでしょう。遠く離れた地で被災した方達の安穏を願う、“苦しむ人に安らぎが訪れますように”と祈る、平和をあきらめない・・・そんな“想い”からのエネルギーは、生きている血の通っている私たちだからこそ、発することができるのではと思えて仕方ありません。またそのエネルギーは、決して無力ではないと信じたいのです。

 あと10年、20年と時が経ったとき、私たちは、どんな世の中に暮らしているのでしょうか。

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