”今”を受け入れて
時の流れが早くて、恐ろしいです。最近感じるのは、若い人が言う“時の早さ” と、還暦を前にした自分の“時の早さ”とでは焦燥感が違うということ。
若い頃には時間が無限に続くように思われていたけれど、年齢を重ねるとさまざまな経験から、人生の時間には限りがあるという冷厳な事実に気づき、不安や焦り、寂しさを伴うようになるからです。
先日も同世代の友人と、「若い頃は、無駄な時間をダラダラ過ごしても平気だったけど、人生を折り返した今となっては、これからの人生の時間をどう過ごすのか、このままの生き方でいいのか、なんか考えちゃうのよね。」「わかる……。」「それに、これからいろんなことが衰えていく一方だと思うと、不安だし、焦る。誰か時を止めて!」そんな会話です。
私も元来心配性で、起きてもいないことを想像して気を揉むタイプ。先々を考えるとやはり不安になります。でも、未来を憂えて時間を使うのは、それこそ時間の無駄ではないのか。もうやめたい。
そこで最近、励みにしている言葉があります。
『ありのままの今を肯定して、あきらめずに希望を持ち続けること。』
自分の“今”を受け入れた上で、“希望“という光を見るようにする。すると、考えても仕方のない不安は薄まり、今の自分にできることに集中でき、気持ちが楽になる気がするのです。
未来の不安は空想の産物。生きているのは“今”。
刻々と過ぎ去るこの“今”を、感謝して喜んで生きたいと思う今日この頃です。
文 中村幸代