歯の健康と美をつくる - アパタイト習慣
「My Favorite Things」は、いま、話題にしたい人・もの・コトを音楽プロデューサーの中脇雅裕がご紹介させていただきます。
今回は「歯の健康と美をつくる、アパタイト習慣」のお話です。
歯を”補ってくれる”注目の成分「アパタイト」
鏡に映る自分の口もと、ふと気になったことはありませんか?
歯の白さやツヤ、そしてなんとなく感じる「ざらつき」や「すり減り」。
丁寧に磨いているつもりでも、年齢とともに少しずつ変化していくのを感じる、という方も多いかもしれません。
6月は「歯と口の健康週間」でもあります。この機会に、いつものケアを少しだけ見直してみませんか?
今回ご紹介するのは、歯を“守る”だけでなく“補う”という、新しいオーラルケアの考え方。
そのカギを握るのが、聞き慣れないけれどとても頼もしい成分「アパタイト」です。
このアパタイト、日本語では「燐灰石(りんかいせき)」と呼ばれる鉱物で、実は私たちの歯や骨とほぼ同じ成分で構成されています。
特に私たちの歯に含まれているのは「ハイドロキシアパタイト」という種類で、エナメル質の約97%、象牙質の約70%を占めていると言われています。つまり、歯の“硬さ”や“白さ”を支えている成分なのです。
近年、このアパタイトを非常に細かいナノサイズにした「ナノハイドロキシアパタイト」が注目されており、この“ナノアパタイト”には、歯の健康をサポートする優れた働きがあるのです。
まず一つめは、「歯の表面を修復する」効果。
飲食や歯磨きによって、歯には目に見えない細かな傷が日々ついていきますが、ナノアパタイトはその隙間に入り込み、まるでパッチワークのように埋めてくれるのです。
二つめは、「再石灰化を助ける」効果。
虫歯の初期段階では、歯のミネラルが酸によって溶け出しますが、アパタイトはそれを補ってくれます。イメージとしては、歯に必要なミネラルを“足してくれる”かのような働きです。
そしてもうひとつ、「汚れを吸着し、歯垢を抑える」効果もあるといいます。
アパタイトにはタンパク質や着色汚れを引き寄せる性質があり、それによって歯の表面をなめらかに保ってくれるのです。
フッ素との違いは?”守る”フッ素と”補う”アパタイト
では、アパタイトとフッ素との違いはなんでしょうか?
少し前までは、歯磨き粉の成分といえばフッ素、と一番に名前のあがる成分でしたよね。
フッ素は、歯の表面を強くし、虫歯菌の働きを抑える即効性が魅力です。
対してハイドロキシアパタイトは、前述したように“失われた歯の成分そのものを補う”という特徴があります。歯の表面にできた小さな傷やミクロの穴を埋め、なめらかに整えてくれるという働きは、アンチエイジングの観点から見ても非常に魅力的です。また、歯垢や着色汚れを吸着する働きもあり、歯をきれいに保つサポートにもなります。
さらに、アパタイトはもともと人体に存在する成分なので、アレルギーなどに対する安心感が高いのもポイント。フッ素にアレルギーがある方や、フッ素を避けたいという方にもアパタイト配合のケア商品は人気が高まっています。
ただし、虫歯菌を直接抑える力ではフッ素のほうが優れているため、“即効性”という観点ではフッ素に軍配が上がるでしょう。
最近では、フッ素とアパタイトの両方を配合した歯磨き粉も増えています。
「フッ素で守る」「アパタイトで補う」というダブルケアが、理想的なスタイルとして注目されているのです。
ちなみに、「アパタイト」という名前の語源はギリシャ語の“apate(アペイト)”。意味はなんと、「ごまかし」。
天然のアパタイトは色や形がさまざまで、他の鉱物と間違えられやすかったことから名づけられたそうです。
アパタイトは、宝石やパワーストーンとしても使われており、特にブルーアパタイトは「心の迷いを晴らす」「信念を強くする」といった意味を持ち、人気があります。
ただし、歯磨き粉に使われているのは天然ではなく、人工的に作られたナノサイズのアパタイト。
その小ささゆえに、歯のミクロな傷をしっかりと埋めてくれる、頼れる修復成分なのです。
日々のオーラルケア、この機会にぜひ一度、見直してみてくださいね。
"My Favorite Things" 中脇雅裕 Masahiro Nakawaki
大学在学中より、多くのTV・ラジオのCM音楽を制作。
大学卒業後、財団法人ヤマハ音楽振興会にてポピュラー音楽指導ディレクターとして音楽教育法の研究および講師の研修を担当。
その後、東京に居を移しレコーディングディレクターとして数々のアーティストの音楽制作を手がける。
今までに制作に携わったアーティストはCAPSULE,Perfume,きゃりーぱみゅぱみゅ,三戸なつめ,近藤夏子,Jungle Smile,手嶌葵,古澤巌,中村幸代などジャンルを問わず多岐に渡る。
その他に、映画、CM、各種イベントなどの音楽制作はもとより、イベントプランニング、執筆活動、講演、ラジオDJなどその活動は幅広い。
音楽教育の経験とメンタルコーチングの知識を生かした講演、研修、個人コーチングも行っており現在、サウンド&レコーディング・マガジンに「音楽クリエイターのためのイメージ・トレーニング!」を連載中。
◆オフィシャルウェブサイト http://nakawaki.com/