カテキンで整う - 緑茶習慣

「My Favorite Things」は、いま、話題にしたい人・もの・コトを音楽プロデューサーの中脇雅裕がご紹介させていただきます。

今回は「カテキンのお話です。

緑茶の渋み成分「カテキン」のチカラ

皆さんは普段、緑茶を飲む習慣がありますか?
緑茶は日本の伝統的な飲み物として親しまれていますが、その奥深い味わいの中に、私たちの健康を支える成分がたっぷりと詰まっているのをご存知でしょうか?
中でも注目したいのが、お茶特有の“渋み”の正体でもある「カテキン」です。
たとえば「テアニン」にはリラックス効果、「カフェイン」には覚醒作用や脂肪燃焼のサポートがありますが、緑茶特有の“渋み”の正体でもある「カテキン」には、抗酸化・抗菌作用といった頼もしい力が秘められているのです。
健康志向の高まりとともに再注目されているカテキンの魅力。今回はその働きや効果的な摂り方について、ご紹介していきます。


カテキンとは、緑茶に含まれるポリフェノールの一種で、かつては「タンニン」とも呼ばれていた成分です。緑茶特有の渋みの主成分でありながら、その健康効果にも注目が集まっています。
とくに「エピガロカテキンガレート(EGCG)」という種類は、強い抗酸化作用を持ち、近年では研究も進んでいます。

抗酸化作用とは、ストレスや紫外線、激しい運動などによって体内に増える「活性酸素」の働きを抑える作用のこと。この活性酸素は、老化や疲労の原因になるといわれており、カテキンはこの有害な活性酸素の働きを抑え、細胞のダメージを防ぐのに役立つとされています。
カテキンのもうひとつの大きな特徴は、抗菌・殺菌作用があることです。風邪やインフルエンザなどの感染症予防に役立つほか、細菌の繁殖を防ぐことで、口臭や虫歯の予防にもつながります。「お茶でうがいをすると良い」と言われるのは、このカテキンの力によるものなのです。
さらに、カテキンは生活習慣病の予防にも効果が期待されています。血糖値の急上昇を抑えたり、血中コレステロールの上昇を防ぐ働きがあるとされ、脂肪の分解や燃焼をサポートする作用も報告されています。これらの働きにより、ダイエット中の人や健康を気にする人にとっても心強い存在です。

カテキンの効果的な摂り方と注意点

では、カテキンの効果を最大限に活かすにはどうしたら良いのでしょうか?ポイントは、「飲むタイミング」と「お茶の淹れ方」にあります。
脂肪の吸収を抑えたいなら、食事中や食後に緑茶を飲むのがおすすめ。脂肪の燃焼を促したいときは、運動の30分ほど前に飲むと良いでしょう。朝の一杯に取り入れれば、抗酸化作用で体の内側からシャキッと目覚めさせてくれます。
お茶の淹れ方にもコツがあります。カテキンは80℃以上のお湯でよく抽出されるため、しっかり成分を摂りたいときは熱めのお湯を使いましょう。目安は、80〜90℃で2分程度の抽出。渋みが効きながらも飲みやすい、バランスの良い一杯が楽しめます。
反対に、渋みが苦手な方は60〜70℃程度のぬるめのお湯で淹れるのが◎。この温度では「テアニン」という旨み・リラックス成分が多く抽出され、まろやかな味わいが楽しめます。仕事の合間や、ほっと一息つきたいときにぴったりです。

どんなに健康に良いとされる食品でも、摂り方を誤ると体に影響を与えることがあります。
カテキンにも注意点があり、それは「鉄分の吸収を妨げる可能性がある」こと。とくに貧血気味の方や鉄分補給を意識している方は、ほうれん草やレバーなどの鉄分豊富な食材を食べた直後の緑茶は避け、1時間ほど間を空けるのが望ましいとされています。
また、忙しい現代人にとって、緑茶を飲むことを習慣にすること自体が「自分を整える時間」にもなります。
ペットボトルのお茶でも一定の効果は期待できますが、急須で丁寧に淹れる時間自体が、心と体を整える“ひととき”になるかもしれません。
カテキンを上手に取り入れて、健やかに。そして、ほっとひと息つける日常を手に入れてみませんか?

"My Favorite Things" 中脇雅裕 Masahiro Nakawaki

大学在学中より、多くのTV・ラジオのCM音楽を制作。
大学卒業後、財団法人ヤマハ音楽振興会にてポピュラー音楽指導ディレクターとして音楽教育法の研究および講師の研修を担当。
その後、東京に居を移しレコーディングディレクターとして数々のアーティストの音楽制作を手がける。
今までに制作に携わったアーティストはCAPSULE,Perfume,きゃりーぱみゅぱみゅ,三戸なつめ,近藤夏子,Jungle Smile,手嶌葵,古澤巌,中村幸代などジャンルを問わず多岐に渡る。
その他に、映画、CM、各種イベントなどの音楽制作はもとより、イベントプランニング、執筆活動、講演、ラジオDJなどその活動は幅広い。
音楽教育の経験とメンタルコーチングの知識を生かした講演、研修、個人コーチングも行っており現在、サウンド&レコーディング・マガジンに「音楽クリエイターのためのイメージ・トレーニング!」を連載中。

◆オフィシャルウェブサイト http://nakawaki.com/