「HSP」とやさしく生きる

「My Favorite Things」は、いま、話題にしたい人・もの・コトをシンガーの澤由紀江がご紹介させていただきます。

今回は「HSPについてのお話です。

繊細さは才能ーHSPとやさしく生きる

新年度を迎える前の3月は、別れと始まりが交錯し、空気の粒までいつもより濃く感じられる季節。音や光、人の気配に敏感な人ほど、知らず知らずのうちに疲れを溜め込んでしまいがちです。もし「少しの刺激で心がざわつく」と感じているなら、その繊細さを責めずに扱う視点を持ってみませんか?

HSPとは?「感じ方の特性」を知る

この季節、なんだかいつもより疲れやすかったり、周りの人の言葉に敏感になってしまったりすることはありませんか? 卒業や異動、環境の変化が重なるこの時期は、自分でも気づかないうちにたくさんの情報を浴びてしまうものです。
もしあなたが、「人混みにいるだけでぐったりしてしまう」「相手のちょっとした表情の変化が気になって仕方ない」と感じているなら、それは「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」という気質が関係しているかもしれません。
HSPは、病気ではなく生まれ持った「感じ方の特性」です。だいたい5人に1人はこの気質を持っていると言われていますが、この特性を持つ人のメンタルが弱いわけではありません。ただ「周りの世界を人より鮮やかに、深く受け取っている」だけなのです。

HSPには共通する4つの特徴があります。
①「深く、じっくり考える」

ひとつの出来事に対して、頭の中で何度もシミュレーションしたり、言葉の裏側にある意味を考えたりします。「考えすぎ」と言われることもあるかもしれませんが、それは情報を丁寧に処理しようとする素晴らしい能力です。

②「刺激をたっぷり受け取ってしまう」

音や光、匂い、そして人の感情などに敏感です。そういった外からの刺激を、フィルターを通さずにそのまま受け取ってしまうため、人よりエネルギーを消耗しやすい傾向があります。

③「共感する力がとっても強い」

隣で怒っている人がいると、まるで自分が怒られているような気分になったり、映画や音楽に心から感動したり。相手の痛みや喜びに寄り添える、とても優しい心の持ち主です。

④「ささいな変化も見逃さない」

「あの人髪切ったかな?」なんて、小さな変化にすぐ気づきます。鋭い観察力を持っているといえます。

楽になるコツ:刺激を減らし、回復を早める

HSPの方が毎日を楽に過ごし、疲労を溜めないためには、自分を変えることよりも、「入ってくる刺激を減らして、回復を早める」工夫が大切です。
まずは「刺激」をシャットアウトしましょう。人混みに行った後は、意識的にひとりになれる場所を確保したり、SNSやテレビを消したりして、視覚や聴覚を休ませる時間を作ってください。
また、「何もしないこと」も、立派な予定です。ぼーっとしたり、横になったりする時間は、サボりではなく「心の充電」です。予定を詰め込みすぎず、休むことを最優先にしても良いと思いますよ。
そして、心の中に溜まったモヤモヤは外に逃がしてあげましょう。日記に書いたり、独り言で吐き出したりしてみてください。誰かに解決してもらわなくても、出すだけで心に隙間が生まれます。
いちばんのケアは「自分はこういう人だ」と認めて、「気にしすぎる自分」を問題視するのをやめることです。「私はよく感じ取っているんだな、頑張っているな」と認めてあげるだけで、心はふっと軽くなります。その繊細さは、いつか誰かを照らす光や、人生を彩る深みになっていくはずですから。